第36章 兄の願い
黒「うむ…。やはり…そうか…。」
対する時透は上弦ノ壱を前に心臓がドクドクと煩いほどに鳴っていた。
時(これが…上弦ノ壱…。他の上弦とは比べ物にならない…。重厚な様、威厳すらある…。そして刀。歪だが…刀を持っている。この男もしや鬼狩りだったのか??しかも相当な使い手の…。)
そのとき、時透の刀に掛けてる手がブルブルと震え出した。
時「!!」
自身の体の異変に時透は手元へと視線を向けた。
時(怖気が止まらない。体が戦闘を拒否している。こんなことは生まれて初めてだ。)
そんな時透へ黒死牟は静かに口を開いた。
黒「お前…名は…何と言う…。」
時「!!」
突然の問いかけにびくりと肩を震わせながら、時透は質問に答えた。
時「…時透、無一郎。」
黒「成る程…そうか…。絶えたのだな・・・“継国”の名は…。」
突然聞いたこともない知らない名前を出してきた上弦ノ壱に時透は戸惑いながらも問い返す。
時「…継国??誰のことだ??」