第35章 春の足音
──カ「しのぶ。カナヲ。がんばったね。」
姉妹の頭を優しく撫でるカナエ。
し.カ「「!!」」
一瞬、頭を撫でられたような感覚を覚えたしのぶとカナヲは慌てて顔を上げる。
けれど、そこには先程までの戦闘が嘘のような静かな光景が広がるだけ。
確かに聞こえた大好きな姉の優しい声と確かに感じた大好きな姉の優しい手の温もり。
顔を見合わせたしのぶとカナヲの瞳からとめどなく涙が溢れ出した。
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カ「お父さん!!お母さん!!見てた??私たち頑張ったのよ。しのぶとね、私たちの妹たちもすごく頑張ってたわ。」
桜の木の下で待っていた大好きな両親に駆け寄るカナエ。
嬉しそうに、楽しそうに、しのぶと新しくできた妹たちの話をするカナエ。
母「頑張ったわね。カナエ。ありがとう。」
父「さぁ、行こうか。しのぶも妹たちも暫くは来ないだろうし、向こうで待っていることにしよう。」
カ「うん!!」
心から幸せそうに微笑むカナエは両親と共に天国へと歩き出した。