第5章 花屋敷
『ふふ、やはりお2人ともすごいですね。』
座りなおし杏が持ってきた手ぬぐいで汗を拭き、水を飲む不死川と時透。
つい先程まで床に倒れ込んでいたのに復活がはやすぎる。
『それでは、私はお土産の準備をしてきますね。
もう少し休んでいてください。』
スッと立ち上がり、道場から出ていく杏。
──カタン
道場の扉が閉まったのを確認し、不死川が口を開く。
不「とりあえず、俺が5つだなァ。」
時「…仕方ないのでおはぎは諦めますよ。
でも、まだ“あのこと”は認めてないですからね。
杏さんには内緒ですけど。」
不「ハッ、言ってろォ。」
──カラッ
2人がそんな言い合いをしていると道場の扉が開いた。
『お2人ともこれからどうされます??』
ヒョコっと顔を出す杏。
不.時「………。」
『……なんですか??』
杏の方をじっと見て黙る不死川と時透。
そんな2人の様子に怪訝そうな顔をする杏。
不「いや、別に…。」
時「なにも…。」
2人が目を逸らしながら呟く。
心なしか、少し顔が赤いように見える。
『ならいいですが…。』
しかし、そんなことには気づかない杏。