第35章 春の足音
不「お前が巫山戯るからだろうがァ。オラ、さっさと行くぞォ。」
『それもそうですね。』
不死川の尤もな言葉に杏も頷き、立ち上がって不死川の後についていく。
『とりあえず周辺の鬼たち倒しながら鬼舞辻や上弦を探しましょうか。』
不「あァ。さっさと糞鬼共の頸を掻っ切るぞォ。」
『ふふっ、そうですね。行きましょう。』
相変わらずの不死川の粗暴な言葉に杏はいつも通り微笑みながら2人は同時に走り出した。
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杏が地面に消えてしまった上弦ノ弐との戦場では、天井に張り付いていた童磨が降りてきていた。
童「あーあ…折角杏ちゃん捕まえる絶好の機会だったのに。これじゃあ、また鳴女ちゃんが無惨様に気に入られるんだろうなぁ。」
伊「ごちゃごちゃ言ってんじゃねぇ!!クソ野郎が!!あんこを何処にやった!!」
伊之助が怒りのままに捲し立てるが、童磨は伊之助に言葉を返す。
「さぁ??俺にはわからないよ。…ごめんねぇ。杏ちゃんもいないし、猗窩座殿がやられちゃって時間が無いから君たちの相手はこの子にしてもらうよ。」