第34章 母の愛
童「あー、俺の左腕が…斬り落とされたのなんていつぶりだろ。」
『頸を狙ったんですけど…どうして避けるんです??』
日輪刀を鞘に仕舞い、抜きなおしながらそう話す杏に毒を分解し終えた童磨は笑顔で左腕を再生する。
童「避けなかったら死んじゃうでしょ。」
『死んでほしいんですよ。できるだけ苦しんで。』
そう言い放つ杏は飛び上がり、再び技を仕掛ける。
その対処をしようと童磨が杏に集中した隙にカナヲと伊之助がそれぞれ左右から攻撃する。
ー 花の呼吸 俉ノ型 徒の芍薬 ー
ー 獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き ー
2人の技をくらい、血を吹き出しながらもながらも童磨は杏から視線を離さない。
ー 桜の呼吸 捌ノ型 桜狩り ー
斬りかかる杏に扇子を振り上げる。
しかし、杏はその振り下ろされる扇子をいなしながら童磨の胸あたりを斬り裂いた。
童「ぐっ、…ほんっと杏ちゃん強いねぇ。」
童磨はそう呟きながら落下していく杏に氷の蔓を伸ばして捕まえようとする。
その蔓を切り刻み、床に着地する杏。
──着地するはずだった。