第5章 花屋敷
同時に振り返った不死川と時透。
そんな2人に杏は持ってきたものを見せながらにっこりと微笑んだ。
『お2人とも隊服ですし、一本どうです??』
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『使用するのは木刀のみ。
体術はありですが、呼吸の型を使うのは禁止です。
呼吸で身体能力を向上させるのはありとします。』
道場で杏が持ってきた木刀を手に向かい合う不死川と時透。
『ようは呼吸の型を使わなければ何でもありです。
審判は私が務めさせていただきます。』
時「隊士同士の私闘は隊律違反じゃ…」
手を上げながら話す時透。
不「なんだ、時透。逃げんのかァ??」
時「そういうわけじゃないですけど。」
既にやる気満々の不死川と怠そうな時透。
『大丈夫ですよ、無一郎くん。
これは鍛錬の一環です。柱同士の手合わせはきっといい鍛錬になりますよ。』
ニコニコの杏。
こちらも楽しそうにしている。
『ただの手合わせじゃ物足りないですし、勝ったほうがおはぎ5つということで。』
時「ものは言いようですね。」
はぁ、とため息をつく時透。
そんな時透の様子にふふっと笑う杏。