第34章 母の愛
伊之助を煽り倒す童磨に対し、痺れを切らした伊之助が叫びながら童磨へ斬り込んできた。
伊「うるせぇんだよボケカスがァア!!返せそれェ!!」
ー 獣の呼吸 陸ノ牙
カ「伊っ…!!」
怒りで周りが見えなくなってる伊之助。
それに気付いたカナヲがいち早く止めようと走り出す。
しかし、それよりも先に童磨が動いた。
童「まぁ人の話しは最後まで聞きなよ。こんな巡り合わせ奇跡でしょ。」
──ズバッ
斬り込んでいたはずの伊之助の体から血が噴き出す。
冷静さを忘れ向かっていた伊之助はその一瞬のことに反応出来ず、再び童磨からの追撃を受けそうになる。
けれど、受ける直前に カナヲが飛び込んで助けに入ったことで限り限りで童磨からの追撃を逃れる。
──ドボン
し「カナヲ!!」
『伊之助くん!!』
そのまま水の中へ落ちる2人。
カナヲは直ぐに体勢を戻して刀を構え直す。
カ「伊之助大丈夫??落ち着いて、お願いだから!!」
そんな様子を見ながら伊之助の母について再び童磨が話を始めた。
童「君のお母さんのことはね、喰うつもりなかったんだよ。心の綺麗な人が傍にいると心地いいだろう??お母さんは頭が残念でね、良くなかった。でも美しかったし歌は上手で、君を抱いてよく歌ってたよ。どうしてだか、子守唄よりも指きりの歌をさ。ゆーびきーりげーんまんってそればっかり君に。」