第34章 母の愛
カ(いやっ…えっ?いやいやいや…ええっ!?)
し(人間離れしているとは思ってましたけどまさかここまでとは…。)
杏(伊之助くんってやっぱり人間じゃないのかしら…。)
驚きのあまり言葉が出ていない3人とは違い、童磨は笑い声を漏らす。
童「あっはは!!そうやってすぐ関節戻せるんだ。痛いとかないの??そう、何か君もうホントに全部滅茶苦茶だなァ。随分長く生きてるけど君のような子は見たことがないよ。」
楽しげに笑いながら話しかける童磨に伊之助はふしゅん、と自慢げに鼻息を吹く。
伊「フンッ!!そりゃあそうだろうぜ。この伊之助様そこいらの有象無象とはわけが違うからな!!」
『っ、』
そう伊之助が喋り終えた瞬間、猪の被り物に隠されていた彼の素顔が晒された。
それと同時に杏も少し離れたところに飛び退く。
伊「!?」
カ「伊之助!!」
伊之助はすぐに刀を構えるが、猪の被り物はすでに童磨の手の中だった。
し「杏さん!!大丈夫ですか!?」
『なんとか…ですね。』
「やっぱり杏ちゃん速いね。なかなか捕まらないや。ああ…これやっぱり被り物かぁ。」