第34章 母の愛
童「速いね、気づかなかったよ。」
そう言って、扇を振り下ろす童磨。
ー 桜の呼吸 壱ノ型 桜吹雪 ー
──ギャギャギャギャッ
童磨の凄まじい連撃技を3人の前に入った杏が相殺する。
童「わぁ!!びっくりしたよ、杏ちゃん。君に怪我させたら俺が怒られちゃうんだから端っこで大人しくしててよ。」
『そう言われて私が大人しく聞くとでもお思いですか??』
伊「おりゃああ!!」
──ドンッ
杏に怪我させまいと扇を引っ込めた童磨に杏の後ろから伊之助が飛び出してその腹を蹴り飛ばす。
しかし、童磨は動じることなく、伊之助の足に扇を振り下ろす。
皮膚の感覚が優れている伊之助は素早く足を引っ込め、間合いをとることで回避する。
──ズザザッ
童「やるね!!」
楽しそうに笑う童磨に伊之助は大きく振りかぶる。
けれど、伊之助の振りかぶってる姿と間合いの取り方に童磨は勿論、伊之助のすぐ後ろにいる杏やしのぶも小首を傾げる。
杏(なんでこんな遠くから…??)
童(ん??何だ??振りかぶってる??間合いの外側でしょ。遠いよ。)
──ブンッ