第21章 farewell~edelweiss~
『お母さん⁉お母さん⁉』
「ゆか⁉ゆか⁉おい!これからだぞ!頑張れ!つっ!!」
わぁあああん
誰の泣き声かわからない
ただこの場にいた
相澤以外がそっと涙をながし
相澤は目を瞑り,現実を受け止め,涙をこらえた
その後医師が来て死亡確認された
柚香はその後看護師にて綺麗にするために
菜緒たちは漸く気持ちも落ち着き一旦病室を退室した
そして菜緒は相澤の元により
『消太さん』
「なんだ」
『私たちを助けてくれてありがとうございました』
そう言って菜緒は相澤に頭を下げた
「顔上げろ」
相澤は菜緒の顔をあげさせ
「何度も辛い思いさせてしまった。悪かったな。」
相澤が伝えたのは謝罪の言葉だった
けど菜緒は
「謝らないでください。私も母もとおるさんもこの縛られた人生から漸く解放されたんです。消太さんのおかげです。私は最後にこうしてみんなで母と話せて幸せでした。だから,謝罪はいりません」
「あぁ。それに俺は今後お前を甘やかせるという役割とかももらったしな」
「それは別だ」
またもやそう言って酒坂が入ってきた
「はぁ~ゆかさんに許可はもらいましたし,酒坂さんも許すように言われたじゃないですか」
「知らん」
「まぁ本人の意思が大切ですからね」
「菜緒‼違うよな⁉」
『/////今はそんな状況ではありません。とおるさんもやめて』
菜緒にとがめられ二人共黙ってしまった
柚香の葬式は身内だけで静かに行われて,菜緒も酒坂も最後には笑顔で柚香とのお別れの時間を過ごすことができた