第3章 mother~carnation~
『じゃーね。
明日もまた,来るよ。
いい加減目を覚ましてよ!!』
そういって病室に出る。
病室を出て廊下を歩いていると
向こう側からニヤニヤと気持ち悪い笑顔の医者がきた。
「やぁ,こんにちは菜緒ちゃん。元気にしているかな」
(あーくそ気分悪い奴に会った)
「また,綺麗になったね。どんどん色気も増して。個性の発動せずとも魅了出来ているんじゃないかね」
『貼付先生,こんにちは。いつも母がお世話になっております。それじゃー急いでいるので失礼します。』
そういって菜緒は去ろとしたが,
貼付医師が,笑顔で腕を掴み,耳元で
「なーに逃げようとしているんだ。久しぶりに二人きりで楽しもうよ。そうでないとお母さんの命もだけど,君の中にある機械,また,あの人にいっていじくるよ」
『ちっ!』
そういって菜緒は睨みつけるも
貼付医師はにやにやしている
菜緒は笑顔を作り
『せっかく先生とお会いしましたし,久しぶりに先生とお話ししたいです。』
「そうかい。急いでるって言ってたが大丈夫なのかな。」
(くそ,じじぃめ)
『少しくらいなら大丈夫です』
「そうかなら,少しお茶でも,私の診察室で飲もう」
(鼻の下伸ばしやがって,本当腹立つ,あー今日も酒坂さんとこ行ってやけ酒だ)
菜緒はそう思いながら,貼付医師の後ろをついていく途中
「貼付先生,急変です。○○患者さんが」
「なに?わかった。急いでいく。菜緒ちゃん申し訳ないがお茶はまた,今度だね。絶対に時間作るからね。」
『全然,大丈夫ですよ。先生も無理なさらず。失礼します』
(誰かわからないけど,急変あざす。急変で喜んではいけないけど)
菜緒はそっと足取りが軽くなり,別の病室に向かうのであった。