第4章 わっしょい
そんな風にして三人が立ち話をしていると、縁側から なほ、きよ、すみが声をかけてくれた。
「お茶をお持ちしました。皆さんどうぞこちらでご休憩なさってください」
「あっ、ありがとう!」
咲は笑顔で三人にお礼を言った。
まだ年端もいかないというのに非常に気の利くこの少女達に、どれほど助けられたことだろうと咲は常々感謝していた。
自分がこの子達と同じくらいの年頃の時には、ここまで気を利かせられなかったと思う。
本当によく出来た子達だ。
「いつもありがとう!君達も良かったら一緒にどうだ!」
杏寿郎がニコッと笑いかけると、少女達はパアッと嬉しそうな表情を浮かべた。
だが、すぐにちょっと残念そうな顔になって言う。
「ありがとうございます!でも、丁度患者さんがいらっしゃったので行かなければならないのです~」