第4章 わっしょい
足の傷の療養のため、咲はしばらくの間、蝶屋敷で過ごすこととなった。
蝶屋敷は怪我をした鬼殺隊士の療養所となっており、しのぶの他に、なほ、きよ、すみ、という幼い少女達が看護婦として働いていた。
咲が意識も戻らず眠り続けていた時に、献身的に看病してくれていたのはこの少女達であったのだ。
彼女らも鬼に家族を殺されてしまった身の上であり、そういうこともあり咲とはあっという間に仲良くなった。
また、その他にも一人、咲よりも二つ年上の少女がいた。
彼女の名前は栗花落カナヲと言って、詳しいことは知らなかったが、前当主の胡蝶カナエが引き取った少女だということだった。
いつもぼんやりとした感情の読み取れない表情を浮かべており、話しかけてもあまり言葉を発しない少女なので最初の内は咲も少し戸惑ったが、なほ、きよ、すみ、と一緒に、不器用ながらも咲の看病を手伝ってくれる姿を見て、少しずつ心の距離は縮まっていったのだった。