第4章 わっしょい
「鬼殺隊……。では、煉獄さんと一緒に私を助けてくださったのも……」
「はい。同じく鬼殺隊の不死川実弥さんです。お二人は次期柱になるであろうと言われている、とても優秀な剣士なのです。柱とは、鬼殺隊の中で最も位の高い剣士に与えられる称号です」
不死川、という名前には聞き覚えがあった。
まだ意識が朦朧としている時、自身の世話をしてくれている少女達が、
「今日は煉獄様もいらっしゃったし、不死川様もいらっしゃって、賑やかだったね」
「ね。お二人ともいつも食べ物やお花を持ってきてくださるし、早く目が覚めるといいね」
「そうしたら、お二人だけじゃなくて、しのぶ様もお喜びになるよね」
と、コロコロと鈴の音が鳴るような可愛らしい声で話していたのが、ぼんやりとだが聞こえていたのだ。
「時に咲さん、貴女には伝えておかなければならないことがあります」
しのぶがその美しい微笑みを少し抑えて、改まった口調になった。
「貴女は生まれつき、とても鬼に襲われやすい体質をしているのです。それは貴女の血が鬼達にとって、とても栄養価の高いものであり、そのような人間のことを私達は”稀血”と呼んでいます」