第4章 わっしょい
大きなハートでも飛んできそうな先輩からの盛大なウインクに、咲は思わず吹き出した。
「ふはっ!あの、……じゃ、じゃあ、よろしくお願いします!今度私も何か手伝いますから!」
「おう、期待してんぜ」
「スマンな!!よろしく頼む!」
杏寿郎も後藤に向かって軽く頭を下げた。
「いえいえ、お安い御用です。それでは炎柱様、失礼いたします。咲もまたな!」
そう言って後藤と、その他数人の隠達は手を振りながら走り去って行ったのだった。
「良い先輩を持ったな!」
「はい!皆さん本当に優秀で、とても優しくしてくれるんです。いつか私もそういう先輩隠になりたいです」
「うむ!咲ならなれるさ!」
ポンポンと頭を撫でられて、咲は心地良さで自然と顔がほころぶのだった。
杏寿郎の、温かくて大きなこの手が大好きだった。