第3章 おはぎと抹茶
「炭治郎さんには、先日助けていただいたんです!」
「……ッ!!?また鬼に襲われたのかっ!!」
それを聞いた途端、サッと不死川の顔色が変わった。
「お前は俺と同じで希少な稀血なんだァ!いつ鬼に襲われてもおかしくねェ。くそっ、やっぱりお前は俺の専属隠になってずっと近くにいろォ。そうすれば……」
「ちょっ……待ってください!不死川さん落ち着いて!」
ゴゴゴゴと顔に影を落としながらブツブツ言い始めた不死川を、咲は必死になだめた。
「しのぶさんの藤の花の香水のおかげで、鬼には絡まれますがそれ以上は近づいてこられないので大丈夫です!それに逃げ足はかなり鍛えられましたから、ほとんどの場合は逃げ切れてます。ですが、この間は義足が折れてしまって……」
「な、何だとォ!?義足が折れただァ!!?こうしちゃいられねェ、今すぐ最新式の義足作成を最高の義肢装具士に依頼して……」
「わーっ!」
自分の不用意な発言のせいで余計に不死川を興奮させてしまい、咲も慌ててしまった。
ガバッと立ち上がった不死川の足に、すがりつくようにして咲はしがみついた。