第3章 おはぎと抹茶
「き、きつく締めすぎましたか?もし痛ければやり直しますが……」
慌ててアオイが言うと、咲はブンブンッと顔を横に振った。
「全然痛くない!」
それからはしゃいだようにトコトコと部屋の中をぐるりと一周してから、アオイのもとへと戻ってきた。
「やっぱり痛くない!アオイさん、すごい!!」
まるで今にも星屑がこぼれてきそうな瞳で見つめられて、アオイは嬉しいやら照れるやらで思わず頬を染めた。
だが、嫌な気は全くしない。
「それは良かったです」
いつもの少しつっけんどんな口調でそう言ってしまったが、咲はそれにも嬉しそうに笑ったのだった。