第3章 おはぎと抹茶
「考えたのですが、最近になって義足が外れてしまうということは、もしかしたら咲の体が成長したことで、大きさが合わなくなってきたのかもしれませんね」
いつの間にか薬品棚の方に行っていたしのぶが、小さな白い貝殻を持って戻ってきた。
「新しい義足の作成を依頼しておきましょう。それが完成するまでの間は、対症療法になってしまいますが塗り薬で対処しましょう」
そう言ってしのぶは、持ってきた白い貝殻を咲の手にそっと乗せる。
「ここに塗り薬が入っています。義足に当たって赤くなっているところに塗れば、少しは楽になるはずです」
「ありがとうございます、しのぶさん!」
貝殻を受け取ると、咲はパッと立ち上がった。
それから急にキョトンとした顔になって、義足のついた右足を見下ろした。
「あれ?」