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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第22章  番外編 其の参



そうこうしつつも火凛の祝言は無事に執り行われ、一年も経たないうちに第一子の はじめ が生まれたのであった。

~寿郎と名付けるのは煉獄家のならわしであるため、藤の家紋の家に嫁いだ火凛の子には、ごく一般的な名前が付けられた。

父親の清一郎によく似た、優しげな顔立ちの元気な男児であった。

そしてほぼ同じ頃に、桜寿郎夫妻にも第二子の女の子・火弥(かや)が生まれたのだった。

一気に増えた孫達の存在に杏寿郎と咲もたいそう喜び、曽祖父として槇寿郎はまたもや可愛さで爆発したのだった。

槇寿郎は、孫の時から数えるとこれで6回は爆発したことになる。

加えて千寿郎の子の時も爆発しているので、もはや何が何だか分からない。

槇寿郎は、妻の瑠火を亡くしてふさぎ込んでしまった時期があったので息子の杏寿郎や千寿郎もあまり気付いていなかったのだが、驚く程の子煩悩であった。

町に行けば必ず何かしら孫のためのお土産を買ってくるし、孫達の子守りも積極的にやってくれた。

一般的に”祖父・曽祖父”と呼ばれて想像する姿と比べると、槇寿郎は随分と若々しかった。

もともと槇寿郎は上背もあり、柱を引退した後もこっそりと鍛錬を続けていたこともあり、同年代の男性とは比べ物にならないほどの立派な体格を保っていた。

やはり、鬼殺隊の第一線で活躍するような人間は体の作りが根本から違うのかもしれないと、咲などは思ったものだった。

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