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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第20章  番外編 其の壱【R18含む】



しばらくして、夕飯が完成したと千寿郎が呼びに来た。

お品書きとしては、鯛の塩焼きに赤飯、そして刻んだ柚の皮をあしらったほうれん草のおひたしであった。

赤飯は杏寿郎が作ったので、あずき色のご飯の中にゴロゴロと大きく切られたさつまいもがたくさん入っていた。

というより、一本まるまる入っていたり切ってあったとしても半分だったりと、芋が異常にでかかった。

あまりにも豪快すぎる男の料理である。

一方で槇寿郎の作ったおひたしは、盛りつけも味付けも繊細で非常に上品な一品であった。

妻が病に倒れてからというもの台所仕事も担っていた時期があるので、料理には慣れているのだ。

それに、そのおひたしには彼の生来の繊細さと品の良さも現れているようだった。

一番の目玉となる鯛の塩焼きは千寿郎の手によるもので、長年煉獄家の台所を預かってきた者としてその焼き加減は完璧なものであった。

千寿郎は今回の夕飯作成にあたり全体を統括する役割も担っており、あまり台所仕事に慣れていない杏寿郎が勢い余って台所を破壊しないように監督していた。

杏寿郎に悪気は全く無いのだが、目を離すと台所の窯の一つや二つ、軽々と吹き飛ばしてしまうからだ。

そんな訳で、千寿郎に伴われて居間に入った咲の目の前には、杏寿郎達からの愛が溢れるような料理の数々が並べられていたのだった。

食卓にさつまいもがあることからある程度の予想はしたが、その晩は煉獄一家によるわっしょいの嵐が止むことなく鳴り響いたのだった。

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