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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第20章  番外編 其の壱【R18含む】



布団に横たえた咲の小さな体を押しつぶしてしまわないよう細心の注意を払いながら、杏寿郎はその上にまたがるようにして覆いかぶさる。

背中と布団の間に手を差し入れ、そっと持ち上げて胸に抱くようにして抱きしめる。

先ほどから自分が激しく口づけているせいで、赤くぷっくりとしてしまっている咲の唇に、今度はそっと触れるだけのような優しい口づけをした。

ちゅっ、ちゅっ、と唇だけでなく、頬、鼻、瞼、額、とあらゆるところに口づけを落としていく。

「ん…杏寿郎さん…」

咲が、ひどく満たされたような夢見心地な瞳で杏寿郎を見つめ、右腕をその太い首に絡めてきた。

「咲…あぁ、君は本当に可愛いな」

そう言って杏寿郎は咲を抱えたままゴロンと布団に寝転がると、片腕でしっかりと抱きしめながらも、反対の手で頭や頬を何度も撫でた。

その間にも、ちゅっ、ちゅっ、と軽く触れるような口づけは繰り返され止まることはない。

「は…ぁ、すごく…安心します」

少し唇を離した時、咲がうっとりとした声でそう言った。

それから杏寿郎の肩に顔をうずめて、そのままぐりぐりと額を押し付けてくる。

咲の柔らかな髪が首筋に当たり、杏寿郎は幸せなこそばゆさを感じる。

手を伸ばし、サラリとその黒髪をかきあげてやると、髪の間からはまるで美しい果実のような可愛らしい小さな耳が現れた。

形の良いその耳殻は美しい紅色に染まっていて、杏寿郎は思わずそれを甘く噛む。

「ひゃあっ」

その瞬間咲の体がビクンと大きく跳ねた。

「ふふ…君は本当に耳が弱いんだな」

可笑しそうに杏寿郎は小さく笑うと、今度はそこにちゅうっと口づけた。

ぺろ、と控えめに舐めてやると、咲の体は面白いほどビクビクと跳ねる。

「んっ、やぁ…っ、あっ」

咲の体が飛び跳ねて逃げていかないように、杏寿郎はがっしりと腕を回して抱きしめ直す。

ちゅうちゅうと吸ったり、優しく食んだり、わざとピチャピチャと音を立てて舐めてやると、咲はますます嬌声を上げて身をよじるのだった。

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