第13章 小刀と拳銃
「大丈夫だよ咲!今は出来なくても、練習すればきっと出来るようになる!!」
その不安に気づいたのか、炭治郎が励ますように言ってくれる。
同調するように無一郎も頷く。
「そうだよ咲。それに、玄弥も同じ様な拳銃を使っているのを見たことがあるから、訓練方法について聞いてみたらどうかな」
「それいいね!咲、玄弥ならしっかり教えてくれるだろうから、聞いてみるといいよ!」
「はい、そうしてみます!」
二人からアドバイスされて、咲は大きく頷いたのだった。
それから鋼鐵塚と小鉄に向き直ると、にっこりと微笑んで大きく頭を下げた。
「お二人共、作ってくださってありがとうございました」
深々と下げられた頭を見て、小鉄は得意げにひょっとこの面の鼻をこする。
「いえいえ!咲さん、訓練頑張ってくださいね!」
鋼鐵塚は、その筋骨隆々の腕をむっちりと胸の前で組んで、プイとそっぽを向く。
「……壊したら、お前もタダじゃおかねぇぞ。ただし、みたらし団子を買ってくれば許してやらんこともない」
「もう、鋼鐵塚さんったらいい年こいて照れてるんですか?まったく恥ずかしい人だな」
鋼鐵塚の態度に、鼻から息を吐くようにして小鉄が言う。
本当に歯に衣着せぬと言うか、怖いものなしと言うか、発言が辛辣な子である。
「むん!」
容易に予想できたことだが、鋼鐵塚の腕が目にも止まらぬ早さで小鉄の胸ぐらを掴み上げ、ギリギリと締め付け始めた。
「わあ゛―っ!!鋼鐵塚さん、堪えてくださいっ!!脇っ、脇っ!!」
慌てて炭治郎と、巻き込まれた無一郎が鋼鐵塚の脇をコチョコチョとくすぐり、その丸太のような腕から小鉄を救出したのだった。