第13章 小刀と拳銃
「おいガキども、さっさと入って、俺の作った武器を見ろ」
すっかりみたらし団子を食べ終えた鋼鐵塚が、いつのまにか開け放たれた小屋の戸の前に立っていた。
その顔には、またひょっとこの面が被せられている。
無一郎も加わりゾロゾロと一行が小屋の中に入っていくと、中は刀鍛冶に使う道具がズラリと並べられ、壁には打ちかけと思われるたくさんの刀がかけられていた。
作業場の中央に小さな机があって、その上に紫色の布でくるまれた小さな物が置いてあるのが見えた。
「咲さん、あれが、俺と鋼鐵塚さんで作った武器です!さぁ、早く手に取って見てください!」
小鉄が咲の手をグイグイと引っ張って机の前へと連れて行く。
横にいた鋼鐵塚が先にそれを手に取り、ゆっくりと布を解いた。
「これは…」
中から出てきたのは、非常に小ぶりな拳銃であった。
筒の長さが非常に短く、大きさはちょうど咲の手のひらを広げたくらいしかない。
手に取ると、さすがに鉄で作られているだけあってずっしりとした貫禄はあったが、決して不便なほど重くはなく、かといって不安を感じさせるような軽さも無かった。
「珍しいね、短筒だ。こんなに小さいのは始めて見たけど」
無一郎が物珍しそうに、咲の手の中にある拳銃を覗き込んで言う。
「でも、これの扱いは相当難しいって聞くよ」
「ですよね…」
咲は、へしょと眉を下げる。
実際に拳銃を手にしたのは初めてであったが、その射撃の難しさについては想像に難くなかったからだ。
果たして、こんな難易度の高い武器を自分が使いこなすことができるのだろうか、という不安が浮かんでくる。