第13章 小刀と拳銃
小屋に到着すると、そこには霞柱の時透無一郎の姿があった。
「時透くん!」
「あっ、炭治郎!咲!」
二人の姿に気づいた無一郎は、ぼんやりとしていた顔にぱっと可愛らしい笑顔を浮かべて振り返った。
「二人も来てたんだ」
「うん!時透くんも刀を?」
「鉄穴森さんに定期的なメンテナンスをしてもらいにね」
そう言って無一郎は二人に、腰に差された代用の刀をくっと持ち上げて見せた。
頷きながら、炭治郎が言う。
「俺も刀を直してもらいに来たんだ。咲は、武器を支給してもらえることになって、その受け取りに来てる」
「へぇ、そうなんだ。隠が武器を持つなんて、初めて聞くね」
「はい。私が稀血のせいであまりにも鬼に襲われるので、自衛の手段として持つことを許可されたのです」
「そっか。うん、その方がいいかもね。咲は本当に鬼によく見つかるから。同じ稀血でも、柱である不死川さんとは勝手が違うからね」
無一郎はその長い黒髪をサラリと揺らしながら頷いた。
咲と無一郎は実は同い年であり、柱と隠という身分の違いがありながらも、同い年の気安さから仲が良かった。
咲が給料の受け渡しや荷物の配達で時透邸を訪れた時などは、折り紙で飛行機を作って遊んだりすることもある。