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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第13章  小刀と拳銃



鋼鐵塚の作業小屋に向かう道中、さっそく包みを解いた鋼鐵塚は、先ほどの鬼の形相とは打って変わって、落ちてしまいそうなほどにほっぺたを緩ませながら、みたらし団子を頬張っていた。

「俺はみたらし団子が大好きだ。毎日食べたい、みたらし団子」

妙な節を付けて歌うようにしてみたらし団子を頬張る鋼鐵塚。

一見すると幸せそうな光景であったが、咲はそれに対してもギョギョッと目を見張ってしまうのであった。

「す、すごい美形ですね…」

ひょっとこの面を取った鋼鐵塚は、役者かと思われるほど顔立ちが整っていた。

加えてその鍛え上げられた肉体美。

まさに堂々たる美丈夫と言ってさしつかえない人物であった。

上背は宇髄の方があるが、遜色ない美男である。

「鋼鐵塚さんは見た目だけはいいんですけど、性格がアレなので。だから三十七歳になった今も、嫁の来手がありません」

小鉄が、まるで袈裟懸けに切るかのようにズバズバと言う。

仮に善逸がこの言葉をその身に受けたとしたら、即死するか、体がひっくり返るほどの絶叫を上げたことだろう。

「こ、小鉄くんは相変わらず毒舌だね」

小鉄のあまりにも歯に衣着せぬ物言いに、さすがの炭治郎も眉を下げてタジタジになっている。

だが当の小鉄の方は無邪気なもので、もう咲のために作った武器の話を始めていた。

「咲さんは小柄な女性だと伺っていたので、なるべく軽量になるように工夫してみたんです。あれなら、力のない女性であっても訓練次第で強力な武器になるかと思います!」

ウキウキと嬉しそうに話す小鉄の姿に、先ほどの毒舌の件はひとまず置いておいて、「可愛いな」と咲も笑顔になる。

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