第10章 産屋敷財閥に任せなさい
蝶屋敷に到着すると、いつにも増して屋敷内には怪我人の姿があり、アオイはもちろんのこと、なほ・きよ・すみ の三人も忙しそうに立ち働いていた。
「あっ、咲さん!いらっしゃい!」
咲の姿に気付いた きよ が声をかけてくれる。
「きよちゃん、何かあったの?」
「はい~っ!実は昨夜大きな任務があって、怪我をされた方がたくさん運び込まれたんです!」
「えっ!!」
怪我人がたくさん出たと聞いて、咲は顔を青くする。
顔色を変えた咲に気付いた きよ は、咲を心配させまいとしてさらに説明してくれた。
「あ、でも皆さん比較的軽傷なので、命に関わるような酷い怪我をされた方はいらっしゃいません!」
「そ、そっかぁ!それなら良かった」
ホッと息をついた咲の後ろから、明るい声がした。
「咲!」
振り返るとそこには、炭治郎が立っていた。
「炭治郎さん!」
咲は炭治郎の姿を見るとパッと笑顔を浮かべたが、ササッと全身に目をやって怪我をしていないかを確認する。
その視線に気付いた炭治郎が、にっこりと笑った。
「俺は大丈夫だよ!伊之助と善逸は少し怪我をしたけど、しのぶさんの診たてでは大したことないって」
「そうなんですね!良かったぁ」
炭治郎の言葉に咲はホッと息を吐いた。