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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第8章  あなたの笑顔が見たいから







甘露寺に見送られて、咲は伊黒邸に向かって出発した。

まだまだ日は高い。

(これなら、途中にある森も問題なく抜けられそう)

そう考えながら咲は歩を進めた。

柱達の家は、その担当警備地区内にあり、有事の際にはいつでも駆けつけられるようになっている。

柱の担当区域は広範で、それゆえに、柱達の家も比較的広範囲に点在している。

甘露寺と伊黒の警備区域は隣り合っているためまだ良いが、中には山をいくつか超えていかなければならない場合もあり、ただの荷物の配達とはいえなかなかに大変な仕事であった。

天気も良く、甘露寺に振舞ってもらったパンケーキが美味しかったこともあり、咲の足はズンズンと快調に進み、おかげで道中で一番歩くのが大変な森にも、明るい内に到着することができた。

森に入る前に、咲は入念に確認する。

藤の花の香水、よし。
義足の固定、よし。

藤の花の香水をつけていても鬼と鉢合わせてしまうことはあるし、その場合、つかまることは無いにしても離れていってもくれないので、上手く逃げるしかない。

それに、たまに頭の回る鬼もいて、触れられないならと物を投げて攻撃してきたりする場合もあるので、さっさと距離を取ったほうが良い。

そんな時に義足が外れてしまったりしたら一大事なので、よくよく確認しておくのだ。

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