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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



そこへ、しのぶを挟んで隣に座っている不死川がヒョイと後ろにもたれるような格好をしながら声をかけてきた。

「咲、よく噛んでゆっくり食べんだぞォ。火傷しねェようになァ」

「あっ、はい!」

不死川はいつもこうやって心配してくれる。

屋敷に届け物に行くといつもおはぎを振舞ってくれるが、その時もこんな感じだ。

まるで小さな子どもに言うようなことばかりなのだが、そう言われると何だか兄のことを思い出して嬉しくなるので、咲は嫌ではなかった。

そんな不死川と咲のやり取りを聞いていた宇髄が、ちょっとからかうように、だが微笑ましそうに言う。

「不死川は咲のこととなると過保護になるよなぁ。まるで兄貴じゃねぇか」

間髪入れずに不死川が答える。

「咲は妹みてぇなモンだ。心配すんのは当然だろうがァ」

その返答を聞き、宇髄は少しニヤニヤしながら隣に座る杏寿郎を見やった。

「煉獄もそうかぁ?」

実を言うと宇髄は、杏寿郎が咲に抱いている感情が、不死川の持っている感情とは違うことに気づいていた。

さすがは三人の妻を持つ男といったところだろうか。

こんなところで暴露させようという野暮な考えは無いが、このことになると途端にモジモジし始める杏寿郎のことがもどかしくて仕方がなかったのだ。

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