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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



「煉獄さんと不死川さんは、先ほどおはぎを食べた時に隣に座りましたから、今回は譲っていただきますよ」

ニコリと笑いながらも、有無を言わさぬ声色でしのぶが言う。

「あァ!?」

「なんと!!」

真っ先に不死川が、そしてほぼ同時に杏寿郎が、不服の声を上げる。

だが、しのぶの方がうわ手で、つい今ほど座敷に上がってきた咲の腕に自身の腕をもう絡めてしまっている。

「きゃーっ!咲ちゃん、しのぶちゃん、こっちに来てー!一緒に食べましょう~!」

甘露寺が大きな身振りで二人を呼ぶ。

「さっ、咲、行きましょう」

「は、はい!」

甘露寺としのぶの言葉に咲も笑顔を浮かべると、しのぶに伴われてトトトッと歩いて行ってしまった。

「ぐっ…よもや、胡蝶に先手を取られるとは…。不甲斐なし!!」

「くそォ……これじゃァ、咲が魚定食を頼んだら、小骨を取ってやれねェじゃねェかァ…」

ブルブルと身悶えている杏寿郎と不死川を見て、宇髄が若干呆れ顔で言う。

「お前らホントに咲のこと好きな。隣は胡蝶と甘露寺に取られちまったけど、まだ正面の席は空いてるぜ?」

親切なようでいて、実は完全に面白がっている宇髄がそんな提案をした。

その瞬間、カッと杏寿郎と不死川の目が見開かれる。

そして二人共、任務中かと思われるような素早さで、咲の正面の席を目指して歩き始めたのだった。

そこで、何を思ったのか義勇もその戦いに参戦しようとした。

多少ぼーっとしているところはあるが、身体能力的には義勇も二人には劣っていない。

だが……やはり二人のあまりにも凄まじい気迫によって、あっけなく弾き飛ばされてしまったのだった。

座敷に倒れ伏したままシュンとしている義勇の背中を、宇髄がポンポンと慰めるように叩く。

「ドンマイ、冨岡」

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