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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



柱合会議は長い時ではまる一日かかる時もある。

さすがにぶっ通しでは疲れてしまうので、途中に何度か休憩を挟むのだが、その時に、このおはぎをお茶請けに出そうという考えなのだ。

咲が隣室でおはぎの傍らに座って待っていると、ザワザワと声がして、人の動く気配を感じた。

どうやら休憩時間に入ったようだ。

差し入れを持ってきたことをあらかじめ伝えておいたため、産屋敷家息女でありながらも細々とした雑務をこなしてくれている ひなき と にちか が、柱達へ声をかけてくれた。

「皆様、本日は冨岡様よりおはぎの差し入れをいただいております。今、お茶と一緒にお出しいたします」

ペコリと頭を下げて退室する二人と入れ替わりになるようにして、お重を持って咲が入室した。

「おぉ、咲も来ていたのか!」

咲の姿を見て、真っ先に杏寿郎が嬉しそうな声を上げる。

不死川がすぐに歩み寄ってきて、咲の持っているお重をさっとさりげなく持ってくれた。

「どうしたんだァ?」

不死川は、なぜ咲が義勇の差し入れのおはぎを持っているのか不思議に思っているらしく、首をかしげている。

「不死川、それは……俺の手製のおはぎだ。たくさん食べるといい」

いつの間にか二人の隣に来ていた義勇が言った。

やはり、咲が予想した通りの無表情である。

自分と話している時に見せてくれるようなあの表情を、なぜここで出してくれないのか…と、咲はもどかしくなる。

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