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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



義勇の受け答えにホワホワしつつ咲も腰を落ち着けると、じっとその動きを見ていた義勇がボソボソとしゃべり始めた。

「明日は……半年に一度の柱合会議だ。不死川も来る」

「……?えぇ、いらっしゃるでしょうね」

明日が柱合会議だということは知っていたが、義勇の発言の意図が読みきれず、咲はとりあえず頷いた。

「不死川は……おはぎが好物らしい。だから明日、懐にしのばせておいて、不死川が来たら渡そうと思う」

ムフフ、と得意げに話す義勇に、咲の脳内ではその現場が瞬時にイメージされた。

無表情のまま不死川に近づいていき、おもむろに「でん」とおはぎを差し出す義勇。

それを見て「俺をおちょくってんのか、冨岡ァ!!」と、血管がはち切れんばかりに怒りをあらわにする不死川のキレ顔……。

「……義勇さん、それは」

やめた方が……と言おうとしたが、ふと見ると、いつもは死んだ魚のように光のない義勇の両目が、まるで星屑でも詰め込んだかのようにキラキラと輝いていた。

そんな顔を見てしまったら、不死川が怒るからやめておけ、などとはとても言えなかった。

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