第7章 不死川は…おはぎが好きなのか…
静かな食事が終わり、口の周りを盛大に汚した義勇を洗面所に行かせている間に、咲は食器類の後片付けをした。
二人分の片付けなど、あっという間に終わってしまう。
茶を淹れて居間に戻ると、義勇はすでに洗面から戻っており、チョコンと正座をして手紙を読んでいた。
咲の運んできた小包とは別に、鴉が届けに来たようだった。
「すまない。ご苦労だったな」
手紙から顔を上げて、義勇が皿洗いの礼を言ってくれる。
咲は湯呑をちゃぶ台の上に置きながら、首を振った。
「いえいえ、こちらこそいつもご馳走様です。義勇さんは本当に料理がお上手ですね」
「……一人で暮らしているからな。自分で出来なければどうにもならん」
そっけない素振りをしているが、その頬は少し緩んでいて、実は嬉しいのだということを如実に物語っている。
(わぁあ~、ほんとにもう、何でこの方はこう……可愛いのだろう。杏寿郎さんもおちゃめなところがあって可愛いと感じることはたくさんあるけれど、義勇さんはもっとこう……ホントに弟みたいな感じがする)