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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



「いただきます」

と、二人揃って手を揃えた後は、言葉を交わすこともなく黙々と食事を進める。

義勇は喋りながら食べられないので、食事をする時はいつもこうなのだ。

慣れていない者だと、ボソボソと無表情のまま食事を口に運ぶ義勇を見て、「この人何か怒ってるのかな?もしかして、飯不味かった?」などと思ってしまう。

しかも口の周りには米粒が付き放題になっているので、ますます「え?この人大丈夫か?食べ方汚なっ!」と困惑を深めてしまう。

そうやって義勇に対する誤解はどんどん広がっていくのだ。

咲は、届け物を持ってきた際にこうして食事をご馳走になることが多いので、この無言の食卓にも慣れている。

そして、無言のままもっもっと食べている義勇が、実は「鮭大根美味しい」と心の中でホワホワしていることも理解している。

「今日の鮭大根も、とても良い出来ですね。美味しいです」

そう咲が伝えると、義勇は米粒のたくさんついた口もとをふっと緩め、穏やかに笑った。

「そうか」

そんな素っ気ない返事にも、咲はまるで姉のような気持ちになってにっこりと微笑むのだった。

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