第5章 俺達が一緒に
食事が済むと、善逸と伊之助は、まるで先を争うかのようにしてあっという間に寝室に引っ込んでしまった。
今夜の任務はよっぽど疲れたのだろう。
「お前ら子どもだなぁ」と少し大人ぶった事を言いながらも、村田も二人の後を追うようにして寝室に消えた。
咲もまた今夜はへとへとに疲れていたので、早く就寝しようと善逸達とは別にあてがわれた寝室に向かって廊下を歩いていた。
縁側に面した廊下に出た時、そこに炭治郎と禰豆子が座っていた。
咲が廊下を踏むキシキシという微かな音を聞きつけて、縁側から垂らした足をプラプラと揺らしていた禰豆子が、くるりと振り返る。
「むー!」
両手を広げて、てってってっと軽やかに走ってくるその姿は、また小さな子どもに戻っていた。
ぽふんと抱きついてきた小さな体を、咲は廊下に膝をついて受け止める。
じいっ、と見上げてくるまん丸な桜色の瞳。
月明かりに照らされた、滑らかな白い肌。
初めて蝶屋敷で会った時にも感じたことだが、本当に可愛らしい顔立ちをした子だなと咲は思った。