第5章 俺達が一緒に
先日、蝶屋敷の座敷で対面した時は、年端もいかない小さな女の子の姿であったものが、今目の前にいる禰豆子は自分とほとんど変わらない体格になっていた。
白い肌に血管を浮かべ、フーッフーッと荒い息を吐きながら必死に甚振の攻撃に抗っている。
だが、その体は徐々に引っ張られて行っているように見えた。
「なんだぁ?お前、鬼じゃねぇか。何で人間なんかと一緒にいるんだ?」
甚振が不思議そうな顔をする。
その背後から、人影が二つ飛んだ。
「俺の、妹に、手を出すなあああぁぁ!!!」
「あああぁ!!鬼殺隊をなめんじゃねええぇ!!」
二つの人影。
それは炭治郎と村田だった。
ザンッと、甚振の両手から伸びていた触手のような指が切り落とされる。
巻きついていた指が外れ、その拍子に禰豆子はガクンと膝をついた。
「禰豆子ちゃん!!」
その体を、咲と善逸が両脇から支える。
そして三人の前に伊之助が立ちふさがり、ムキイィと叫び声をあげた。
「てめえええぇ!!よくもこの俺様をぶっ飛ばしてくれたな!!絶対ぶっ殺す!!」