第5章 俺達が一緒に
完全に事切れている者もいたが、中にはまだ息があり苦痛にうめいている者もいた。
善逸の聞いたうめき声は、この人間達のあげたものだったのだ。
「酷い……何てことを……」
炭治郎の額にビキビキと血管が浮かぶ。
「モズが獲った餌をああしてるのを見たことがあるぜ。ということは、今回の鬼はモズみてぇな奴ってことか?」
と、伊之助。
「とにかく今はあの人達を助けるんだ!!」
ダッと炭治郎が走り始めて、飛び上がって木の枝を切った。
「ぐっ、あぁっ」
手足を枝に串刺しにされていた若い男性が、枝を切った際に生じた振動で、苦痛に顔を歪ませる。
「痛いですよね…ごめんなさい……!!すぐに手当てしますから……!!」
落下しそうになる男性の体を抱えて、炭治郎は地面へと着地した。
そうやって次々と、囚われていた人々を助けていく。
「……っ!」
咲も、救出された人々を手当てするために茂みから飛び出し駆け寄って行った。