第4章 わっしょい
「君は精一杯やった。だが人には向き不向きがあるのだ。これまでの、まさに血を吐くような君の努力は、賞賛に値する。俺は師として君のことをとても誇らしく思っているぞ!!」
「……っ、う、杏寿郎さんっ、今までご指導、本当にありがとうございました…!でもこれで……、私はまた次の道に進めます。剣士にはなれなくても、今度は隠を目指します…!!」
しゃくりを上げながらも咲は言った。
「……やはり、気持ちは変わらないのか」
杏寿郎は、震える小さな体を抱きながら眉を下げた。
咲が今までどれほど努力してきたのかは、師として一番間近で見てきたからよく分かっている。
そしてその身体的な限界も。
例え直接的な戦闘に加わらなくても、この体では隠としての任務をこなすのですら大変なことであろう。
片足が無いことも相当なハンデであるのに、加えてこの小柄な体格。
華奢な手足。
まだ成長途中であるということを差し引いたとしても、荒事の多い鬼殺隊に向いている体とは到底言えなかった。