• テキストサイズ

【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第4章  わっしょい



そんな会話をしているうちに甘い匂いが漂い始め、千寿郎が呼びに行っていた槇寿郎が来たところで、みんなで一緒にさつまいもを頬張ったのだった。

絶妙な焼き加減でほくほくと甘いさつまいもに、咲が思わず笑顔を浮かべながら食べていると、突然大砲が鳴るように杏寿郎が声を上げた。

「わっしょい!わっしょい!」

「えっ!?」

そのあまりの声量に、咲はビクッとしてさつまいもを取り落としてしまいそうになる。

だが、息つく間もなく第二砲が発射された。

今度は槇寿郎が、妙にドスの効いた声を腹から搾り出すようにして叫んだのだ。

「わっしょいっ!!」

それに続いて千寿郎も、先の二人に比べたらやや控えめではあるが、

「わっしょい!」

と叫んだ。

「え……なん……」

一体何事かと咲は目を白黒させる。

何しろ、何の照れもなく、ましてやふざけている様子もなく、三人はただただ嬉しそうに「わっしょい」と叫んでいるのだ。

もしやこれは自分が知らないだけで、この辺りの地域に伝わるしきたりか何かなのだろうか、とすら思ったぐらいだ。

/ 525ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp