第4章 わっしょい
そんな風にして訓練の日々が続く中、鬼殺任務のため数日間不在にしていた杏寿郎が風呂敷包みを背負って帰ってきた。
「任務先でたくさん頂いた!」
包みを解いてみると、中には丸々とした美味しそうなさつまいもが大量に入っていた。
「皆で焼き芋をしよう!!」
杏寿郎が、空に響き渡るようなよく通る声で嬉しそうに叫ぶ。
咲が到着した日にやろうとしていた焼き芋会は、その後も何だかんだと伸び伸びになっていてまだ行われていなかったのだ。
たまたま咲が来て以来やっていなかったのだが、もともと煉獄家では焼き芋をする頻度は高いらしい。
それは言うまでもなく、杏寿郎の好物であるからだ。
手際よくあっという間に用意された落ち葉の山から、ブスブスと細い煙が上がり始める。
その火加減を見てくれているのは杏寿郎で、落ち葉の山を見つめながらワクワクと目を輝かせていた。
「杏寿郎さんは本当にさつまいもがお好きなんですね」
咲がニコニコと微笑みながら言うと、嬉しそうに杏寿郎は顔を上げる。
「うむ!甘くて、腹にもたまるところが気に入っている!」
「では今夜は、さつまいものお味噌汁を作りましょう」
「それは楽しみだ!是非頼む!」