第2章 逢魔が時
まず炭治郎。
かれは鋭敏な嗅覚の持ち主で、その鼻は匂いだけで人と鬼を区別し、さらにはその鬼が今まで何人位の人間を食ってきたのかまで言い当てることができた。
また驚くべきことに、匂いだけで相手の感情までも読む術を身につけている。
次に善逸。
彼は異常とも言えるほどの聴覚を持っており、就寝中の物音ですら感知してしまう力を持っていた。
そのせいで幼少期から「気味が悪い」などという誹謗に遭ったりもしたが、戦いにおいては高い危機察知能力として重宝されている。
そして伊之助。
彼は赤子の時に親に捨てられ、猪に育てられたという経歴を持つ。
常に森の中で過ごし、自然の脅威と戦いながら成長してきたせいで、その触覚は過剰なまでに研ぎ澄まされており、遠く離れた空間にあるものでも感じ取ることができた。
合図をした訳でもないのに、一斉に三人は駆け出した。