第4章 わっしょい
次の日からさっそく、咲の特訓は始まった。
ちなみに千寿郎も杏寿郎からの指導を受けていたため、一緒に道着姿で庭に出てきている。
不死川からの忠告でもあった通り、咲は義足を用いての歩行には随分と慣れてきていたが、まだまだ走る、飛ぶなどの動作に難があるため、しばらくの間は歩行訓練と基礎体力訓練を続けることとなった。
一ヶ月以上寝込んでいたせいでガタ落ちしてしまった体力も、蝶屋敷で療養した数ヶ月間の間に随分と戻ってきていたが、それを更に飛躍させようというのだから相当な苦労が伴う。
千寿郎がこなしている内容に比べたら咲の行っている訓練は随分と負荷の軽いものであったが、一日が終わる頃には咲はクタクタに疲れてしまうのだった。
そんな時は決まって槇寿郎が、
「杏寿郎、あまり咲に無理をさせるな!」
と苦言を呈するのだった。