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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第4章  わっしょい



それを見た杏寿郎は、観念したように、寄っていた眉間のシワをゆっくりと緩めたのだった。

「……もう泣くな、咲。分かった。君の挑戦を応援しよう」

そう言って杏寿郎は長い人差し指をツイと出して、指の背で咲の目元を優しく拭ってやった。

「あ、ありがとうございます!煉獄さん!」

この場で最も強く反対していると思われた杏寿郎からの了解が得られて、咲は本当に嬉しそうにパアッと笑顔を浮かべた。

不死川も、横で頷いているのが見えた。

「うむ!では、そうと決まれば、修行は俺のところでやるといい!」

はっはっはっ!とすっかり普段の調子に戻った杏寿郎が快活に言う。

だがそれに対して、速攻で異を唱えた者が二人。

「いや、俺のところでやりなァ。何勝手に決めてんだァ、煉獄」

ビキビキと青筋を立て、大きな目を血走らせた不死川が言う。

「お二人共何を言っているのでしょう?咲は引き続きこちらで預かります」

ニコニコと微笑みながらも、その顔に黒い影を貼り付けたしのぶが言う。

「何を言う!咲は俺のもとに来るのだ!」

「いいや、俺のところだァ!」

「お二人には渡しませんよ?」

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