どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第9章 アクマを狩る少年
車椅子の男性の口から黒い息が漏れる。
その背後には先ほどのピンクの傘の持ち主。
今度は姿が見える。
かなりの肥満体型。
顎と口が非常に細長くかつ大きい。
鋭い歯は剥き出し。
眼鏡をかけた、そんな男性?
「我輩の可愛いAKUMAちゃん。もっともっと殺して進化するのです。」
そう、千年伯爵である。
「兄さーん。ただいま、兄さん。体の具合はどお?」
外からモアの声が聞こえると伯爵は消える。
モアが部屋に入ってくる。
「お帰り、モア。今日は、帰るの早いね。」
車椅子のその男性は少し片言で話す。
「兄さん、最近全然食べてないでしょ?ダメだよ、ちゃんと食べなきゃ。」
「お腹いっぱいなんだ。ごめんよ。でも、すぐに減る。」
モアは男性の前にしゃがみ込む。
「頑張って、マルク兄さん。天国の姉さんもそう願ってるわ。」
その時、外でガチャガチャ音がする。
「うわぁ、こら、暴れるなって!」
アレンと猫の声。
「こら!何やってんの!?現場へ行く気だったわね!?」
「ちょっとだけ…」
「だーめっ!」