どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第9章 アクマを狩る少年
モアは噂のことを話す。
「へぇ、ここってそんな物騒な噂があったんですか。僕は今夜この街に来たんですけど、この前を通りかかったとき、野良猫に大事なものを食われちゃって。ずっと探し回ってたんです。」
「ふーん。」
モアは手錠をまどに繋ぎ、座らせた少年の話を聞く。
「ほ、本当なんです!!師匠からの預かり物で、なくすわけにはいかないんです!」
「師匠?その人はどこにいるの?」
「え、、いや、それがインドで失踪して…。」
にゃー
猫が呑気に鳴く。
「お前のせいだぞぉ。」
(はぁ、まだ子供じゃないの。)
モアは思う。
「とにかく、同僚連れてくるから待ってなさい。」
「うわーーーーー!」
下の階からチャールズの叫び声が響く。
「な、なに。君はここに居て!」
モアは少年に指示を出し、下に降りる。
「誰だ!?」
話しかけるが、返事はない。
しかしモアの目には、柱に打ち付けられ、そこから煙の立つチャールズが映る。
「うぁ、あぁ、あぁ…うぁぁぁぁ」
「チャ、チャールズ」
「うわぁぁぁぁ」
チャールズの肌には黒いペンタクルが所々にある。そして、そこから侵食する様に肌がどんどん黒くなる。そして、真っ黒になると破裂する。
そこにはチャールズの服だけが残る。
「そんな、まさか、噂は本当に…あっ、なに。苦しっ…」
「気をつけて。このガスは有毒です。彼はアクマに殺されたんだ。」
「あ、あくま……」
そこでモアの意識は途絶える。
「お、お巡りさん!?」