どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第6章 図書館の君 【ラビside】
なぜ食堂に行くかって?
それはここで初めてアユムに会ったときまで遡んないといけないさな。
その日オレはいつもは資料館の方にしか行かないけど、ちょっとアユムを捜してみようと思って図書館の奥の方まで来てた。
なんでその日、アユムを捜そうと思ったかは今でもわかんないけど、なんかそう思った。
そんで見つけたわけ。
声かけてみても、隣に座っても気付かないアユムに、『もしかしてオレ、わざと無視されてる?』とか思ってむかついた。
だから後ろから脳天にチョップしてやったんさ!
そしたらビクッ!ってなって。
こりゃ、ほんとに気付いて無かったんだなって理解した。
思ってたより力が入ってたのか、涙目になりながら頭摩って、アユムは
「痛い。寒い。痛い。寒い。寒い。」
って言った。
痛いはわかるけど、寒いの意味がわかんなくて聞いたら教えてくれて、笑っちった。
しかも寒いの数がちょっと多かったし。
あと、ゾワッてして寒いとか、表現が可愛いと思った。
それに涙目で上目遣いになってるアユムに、不覚にもドキッとしてしまった。
まぁ、そんなのは涙目で上目遣いされたらどんな子でもドキッとなるだろってこと。
まぁ、完全に零してないにしても泣かせてしまったのは事実。
オレも力加減考えなきゃって反省したし。
だから次からはチョップはやめて、人差し指で、つん、に変えたんさ。
それでオレはお詫びにマカロンを食べに行くことを提案したってわけ。
「ちょっと力入れすぎたさ。ごめん。痛かったよな。どっち道作るのはジェリーだからあんまりお詫びになんないかもだけど、それ読み終わったら食堂にマカロン食べ行かね?」
そしたらこれでもかってくらいに目を輝かせて、満面の笑みで、
「いいの!?行く!!」
って。
前にリナリーが言ってたこと、本当だったんだなぁって思う。
大概のことはマカロンあげれば許してくれる。
それから図書館で会うと、そのあと一緒にマカロンを食べに行くのが決まりみたいになってしまった。
今まであんまり食べたことなかったけど、マカロンっていろんな味があって美味しいんだな。
それを知れたから、まぁアユムにはすこーーし、ほんのすこーーしだけ感謝さな。