どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第5章 認める。
【アユムside】
ラビに手を引かれて修練場にやってきた。
時間が昼過ぎってこともあってか、人は結構いる。
「混んでんなぁ。」
ラビが呟く。
ほんと、混んでる。
「まぁ、平気だよ。早速だけど、ラビの要望に応えようと思います!」
ぼくはそう言ってイノセンスを発動される。
左足が大きく変形して、必然的に右足が浮く。
「じゃあ行くよ?」
ラビが頷いたのをみて軽く地面を蹴る。
「うわ。ほんとに浮いてんのな。すげぇ。」
「そんなに言うことじゃないでしょ。てか、リナリーの『黒い靴』もおんなじようなもんじゃん。」
ぼくは着地してから言う。
「でも、逆さにはなれないわ。」
リナリーがいつもの笑顔で首を傾げる。
かわいい!!
「あぁ、確かに。」
リナリーが可愛すぎて止まりそうになった思考を無理やり動かして答える。
「逆さって?」
ラビの疑問は最もだと思う。
「えっとね。昨日、空気を掴めるって言ったの覚えてる?」
ラビは終始好奇心旺盛な子供みたいな顔をしてコクコクと頷く。
「だから、こう言うこと。」
さっきよりも高く飛び、その場で足の指を使って空気を掴む。で、体重を下に向ける。
こうすることで、ぼくは今空中にぶら下がってることになる。
「うゎ。マジか。コウモリみてぇー!」
ラビ興奮度MAX。
「コウモリって言われ方やだ。なんか馬鹿にされてる感じする。」
口を尖らせて言う。
「ごめん、ごめんて。」
「まぁいいけど、」
イノセンスの発動を解除して着地する。
「今日の予定、これにて終了だね。」
なんかやることなくなったなって思ってそう言った。
そこで昨日の会話を思い出す。
「ラビ、リナリーに第二開放のこつ教えて貰えば?」
「そうさな。リナリー、お願いします!」
「そんじゃぼくは帰るねー」
2人に手を振って後ろ向きに歩いてると頭に硬いものが当たる。
上を見上げてすぐにそれが何かを理解する。