どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第19章 恐怖の心霊屋敷
オレは、窓があるであろう方向の壁を指差しながら言った。アユムにはそれで伝わったらしい。頷いてくれたから。
オレが提案したかったのは、もういっそのこと壁を壊して外に出るということ。
アユムには少し下がってもらって、鉄槌を壁に向かって思いっきり叩きつけた。
が、壁には傷すらつかなかった。
「マジか。」
オレは思わずそう呟いてしまった。
「多分無理だろうけど、ぼくもやってみる。」
アユムは『2つの棒』を壁に投げた。
やっぱり傷もつかない。
「完全に閉じ込められたね。」
「どーすっかな。」
オレたちは、薄暗い部屋を明るくするためにゴーレムの懐中電灯機能で部屋中を照らした。
「あ!」
「うぉ!急に叫ぶなよ。驚くだろ?」
「ごめん。ただ、ゴーレムで外に連絡できないかな?って思ったんだけど、ゴーレムの通信距離内に誰かがいるとは限らないしダメか。」
「少なくとも、ユウとアレンとリナリーはローマの千年間生きてる剣士のところだから遠すぎるし。もちろん本部にも連絡できないさね。ゴーレムじゃファインダーに連絡することもできない。でも、試しにやってみるのは有りだと思うさ。」
オレがそう言うとアユムの表情は、ぱぁぁと明るくなった。ほんとにわかりやすい。
アユムは早速ゴーレムで通信する。
すると、
『こちらマリ。どうした?』
「「マリ!!」」
『その声、アユとラビか。どうした?』
「今、心霊屋敷の部屋に閉じ込められちゃって。ダメ元で通信入れたの。マリは任務中?」
『先ほど任務を終えて今から帰るところだ。次の任務もないからそちらに向かうこともできるが、そうした方がいいか?』
「「ぜひとも!!!」」
マリに居場所を伝えて通信を切った。