第19章 恐怖の心霊屋敷

「アユムー！どこさー！」


オレはそう叫びながら屋敷中走り回った。


「ラビー！」


遠くからアユムの声が聞こえてそっちに走る。
向こうもオレの声を聞いて走ってきたらしく、会えた。ほんと、このまま会えなかったらどうしようかと。


「ラビ行っちゃうんだもん。びっくりしたよ。」

「それは悪かったさ。でも、手繋いでたろ？離してないはずなんだけどな。」

「ぼくもそれは不思議に思ってた。離してないし、離された感覚もないのにラビが１人で走って行ったから。」

「え？オレ、１人で？」

「うん。１人。」

「オレが気付いた時はあの幽霊？と一緒だったさ。」

「え？」


怖すぎる。


「ラビ、意味ないかもしれないけど、離れないようにしよう。」

「賛成さ。」


オレはアユムの手をまた握った。
そして、ゆっくりと周囲に気をつけながら進んでいく。


「ねぇねぇ、ここの心霊現象ってイノセンスが原因なんだよね？だったらさっきの幽霊さんにはイノセンスが宿ってるのかな？」


アユムの言葉に振り返る。確かに。


「つまり、あの幽霊さんを捕まえないといけない系だったりしちゃう？」

「しちゃうかもしれないさね。でもしたくない！ってことで、オレは屋敷全体にイノセンスが宿ってると仮定し、このまま探し続けるさ。」

「そうだね。うん、そうしよう。」


そうしてまた２人でゆっくりと調査を開始した。