どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第19章 恐怖の心霊屋敷
列車のボックス席に向かい合わせに座り、渡された資料を読み進める。
今回の任務先は、あるお屋敷。そこは、夜になると、様々な心霊現象が起こるという。もう、これでもかってくらい色々起こるらしい。
「ねぇ、ラビ。これさ、もしイノセンスがなかったら……本物のお化け?」
「そ、そんなこと言うなよ。AKUMAもいるし、イノセンスのせいさ。絶対イノセンスさ。」
「そうだよね。この世にお化けなんていないよね。」
「そうそう。いないさ。」
実は2人とも心霊系は苦手であった。
そんなこと知りもしないコムイはこの2人を組ませたが、果たして、大丈夫たのだろうか…
と、その時。汽車が突然止まった。
「え?なに?」
アユムは呟き、周りを見渡す。
急に電気も消えた。
「申し訳ございません!ただいま、付近に落雷があったと連絡が入りました!落雷の影響で停電が起きております。しばらくこのまま待機をお願いいたします!」
遠くからそんな声が聞こえてきた。
確かに、外は土砂降り。
「ラビ?そっち行っていい?」
「え?」
「なんか、この資料読んだ後に停電と落雷は怖すぎる。」
アユムは向かい合って座っていたラビの隣に座った。
「無理だ。こんなの無理だもん。てか、こういう系の任務は全部ユーちゃんが行けばいいと思う。」
「それは同感さ。」
ラビは怖がってることをどうにかして隠そうとした。実を言うと、めちゃくちゃ怖い。アユムが言い出さなければ、ラビがアユムの隣に行っていたかもしれないレベルで怖い。
が、そんなこと言えない。アユムの前ではカッコつけたい!
と、その時。外で雷の音がした。
光ってからそこそこ時間は空いたし、音もそこまで大きくはなかったから遠くに落ちたのだろう。ラビはそんなことを呑気に考えながら外を見ていたが、隣のアユムはそうではなかったらしい。
耳を塞いで、目を力強く閉じて、縮こまっていた。