どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第19章 恐怖の心霊屋敷
地下水路の小舟の上でラビはアユムを待つ。
今回ファインダーとは現地集合のため、今ここにはラビしかいない。
「アユムと2人の任務。あの時以来さ。」
初めて2人が一緒になった任務から早1年。それからも何度か一緒に任務に行ったが、いつも神田やリナリー、ブックマン、その他のエクソシストなどと一緒だった。2人きりは久しぶりだ。
いつも図書館で2人でいるのに、いざ、2人で任務となると緊張してくる。
「何考えてんだか。落ち着けオレ。」
ラビは無意識に左手を耳へ持っていく。
最近のラビの癖である。
ふと気がつくと、アユムに貰ったピアスに手が行く。ちょっと恥ずかしいけど、そんな自分は嫌いじゃない。
「ごめん、ラビ。お待たせ。」
「大丈夫さ。行くか。」
「うん!」
アユムが乗ったのを確認すると、ラビは舟を漕ぎ始めた。
ちょっと急がないと列車が出発してしまう。
水路から出て、駅までは全力疾走。飛び込み乗車でなんとか間に合った。
「はぁぁぁ。疲れたさぁ。」
「とにかく、座席の方行こ。ここに座ってたら迷惑だよ。」
アユムはドアにもたれて座り込むラビの手を引く。
それだけで少しラビの顔は赤くなる。
(ホント、こんなことで照れてるとか、オレ重症)